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私は看護学生時代に「認定看護師」という言葉を知りました。それぞれの分野のエキスパートの看護職であると聴き、いつかは自分も認定看護師の資格を取得したいと考えていました。数多くある認定看護師のなかでも、精神科の分野に興味があった私は、認知症看護認定看護師を目指していました。その頃、認知症看護認定看護師コースのある学校が東北にはなく、青森県在住の私にとっては遠くの他県で半年間学ぶしかないという現状でした。しかし、秋田県という隣県に認知症看護認定看護師コースが開設されるとういう事を知り入学を決めました。 認定看護師の資格取得は、慣れない他県での生活・勉強・実習がとても大変でした。しかし、自身の職場での入院患者さんの高齢化を考えると、受講して学んだ事は全て職場で役立つような知識ばかりです。学んだ事のほとんどを職場、地域に対して還元できます。実際に私は院内・院外での研修会、入院・外来患者に対しての“もの忘れ相談”という形で学んだ事を還元できています。 私はまだ認定看護師のスタートラインに立ったばかりです。看護の専門性が高まっている現在、幅広い分野で活躍する認定看護師が増えています。その中の認定看護師の一人として、よりよい認知症看護認定看護師となれるように頑張っていきたいと思います。

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かつて、私は看護師として約16年勤務する中で、どの病棟でも出会うのが認知症の患者さんであるように感じていました。しかし、看護師は認知症の患者さんに対し、「対応が難しい」「わからない」「こちらの話を理解してくれない」といったマイナスイメージや、先入観をもっているように見えました。 私自身も認知症の患者さんへの看護はやりがいがあると思っていた反面、少なからず苦手意識は残っていました。このような状況では認知症の患者さんは安心して療養出来ないのではないのか、私以外のスタッフの困難感もどうしたら軽減できるのかと日々悩んでいました。そこで、認知症について確かな知識を身につけることで認知症患者さんの理解に繫がり、この問題を解決できるのではないかと考え、日本赤十字秋田看護大学認知症看護認定看護師コースを志望しました。 受講していくうちに、認知症患者さんは常に不安な気持ちを抱えており、日々変化していく自分に気付きおびえているという部分を、自分は今まで考えたことがあっただろうかと反省しました。病院という環境の中で、自分はどれだけ患者さん自身を看てきたのか、看ていたのは疾患ばかりでなかったか…と後悔しました。それと同時に、認知症患者さんの思いに寄り添うこと、その人が本当は何を望みどうなりたいのかを考えることが大切であることを学びました。 私は、「認知症患者さんの行動や言動には必ず理由がある」という事を常に考えて患者さんを看ることで、認知症ケアの向上につながると考えます。病院スタッフだけではなく、地域の方へも認知症ケアについて理解して頂き「認知症になっても楽しい老後を迎えられる地域」になればいいなと私の夢は膨らみます。