FD研修会『「書く力」「考える力」を鍛える』を開催しました(2017/7/31 井下千以子先生)

日本赤十字秋田看護大学/日本赤十字秋田短期大学 2017年度第4回FD・SD研修会

【テーマ】
「書く力」「考える力」を鍛える
~看護・介護福祉教育、研究、臨床の場で活きる指導とは~

 2017年度第4回FD・SD研修会を、7月31日(月)14:00~16:00に152講義室にて開催しました。今回は桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科教授の井下千以子先生をお招きして、『「書く力」「考える力」を鍛える~看護・介護福祉教育、研究、臨床の場で活きる指導とは~』という演題でご講演いただきました。研修の参加者は、看護大学教員32名、短期大学教員6名、事務職員10名、大学院生・非常勤講師・本学実習病院の看護職員・他大学教職員など15名を含む、合計63名でした。会場には秋田公立美術大学の霜鳥秋則学長の姿も見られました。

 はじめにFD・SD委員会委員長の南部直気参事より、この研修会開催の意義と目的が説明されました。大学生や短大生の授業では日常的に数多くのレポートが課され、卒業時には卒業研究や卒業課題研究があります。また大学院では日常のコースワークに加えて、修了時に修士論文(または特定の課題についての成果)の執筆が求められます。本学の大学院生には学士号を持たない現役の看護師も多く、研究方法や論文の書き方に苦労する学生も見られます。そのような学生を指導する教員たちも、アカデミックライティングの指導については、必ずしもスムーズであるとは言いがたく、論文指導において多くの困難を抱えており、中には「書けない学生の側に問題がある」と考えている教員も一部に見られるようです。今回の研修会では、学生にはアカデミックライティングを上達させるために、教員にはアカデミックライティングの指導がスムーズに出来ることを目指して、FD・SD委員会により企画されました。

井下千以子先生研修会

思考を鍛えるレポート・論文作成法(第2版) 研修会では井下先生の著書『思考を鍛えるレポート・論文作成法(第2版)』を参考文献として使用し、この内容に沿って進められました。研修後の感想でも「フォーマットを用いての説明がとても分かりやすく、自分自身の学びも大きかった。」「学生が自分の言葉で語りやすいテーマで提示するという点は、今後のレポート提示に活かしていこうと思った。」「学生自身が自分で考えてレポートをまとめるには、レポート作成を支援する指導が重要だと改めて感じた。」「学生に対して良いモデルを見せることの重要性などを意識することができた。」「レポートの書き方が分からないと訴える学生へのサポート方法のヒントを頂けた。」「看護記録などでは行っていたが、書き方の見本を示すことは、レポートでも大切なのだと改めて思った。」など、日ごろのライティング指導に難しさを感じていた教員や実習指導者、大学院生に対して、大きな学びにつながったことがうかがえました。