SD研修会「持続可能な大学経営のために」を開催しました(2019.6.13)

 令和元年6月13日(木)にSD研修会「持続可能な大学経営のために」を開催しました。

 大学入学者の多くを占める18歳人口は長らく約120万人前後で安定してきましたが、文部科学省の統計(学校基本調査)によれば、2019年現在で117.5万人の18歳人口が、2031年には103.3万人と、実に14.2万人減少することになります。東北6県は人口の減少が全国で最も著しく、宮城県を除く5県で減少率20%以上、中でも青森県(28.8%) 、秋田県(26.6%)、 福島県(27.5%)の減少率が顕著です。東北地方を地盤とする本学にとって、これから先の大学経営に深刻な影響を及ぼすことは間違いありません。

 この研修会では、国や自治体の交付金が収入の多くを占める国公立大学とは異なり、学生納付金収入を経営の柱とする私立大学においては、学生に選ばれるための教学の充実と財政基盤の強化は車の両輪であり、必要な資金が確保できなければ教育研究も継続できないことを、大学の構成員ひとりひとりが認識すべき命題であることを、経理課職員の説明とさまざまな客観的なデータを使って学びました。

SD研修会「持続可能な大学経営のために」を開催しました(2019.6.13)

 参加した教職員からは「大学経営の経費の基本的見方について理解できた」「具体的に協力可能な提案があり、実行しようと思った」「紙の無駄使いは事務の方から率先して行ってほしい」「この6年間で補助金総額が大幅に減少していると聞いて驚いた」「教職員の給料もコピー用紙も消費税も上がるのに大丈夫なのか」「県補助金が減らされるのであれば、学費値上げも考える時期だろうか」などの、真剣な感想が多く聞かれました。

 現代は予測が困難な時代です。18歳人口減少、大学進学率の頭打ち、専門職大学の登場、公的助成の変化など、大学を取り巻く環境も大きく変わります。大学は自らの力でさらに魅力ある教育研究環境を築かなくては、存続することができません。教育や研究を担う教員だけでなく、大学を支える職員たちが常に学び続け、大学をマネジメントする力、自らの大学をデザインする力を獲得し、それを向上させて行くことが、これからの大学人にとっては必要です。そしてそのような環境を実現するには、旧来型の大学を改革していく強い信念とエネルギーが、教職員には必要であるとされています。本学ではこれからも様々な機会を設けて、学生たちの教学環境レベルを維持向上する取り組みを続けて行きます。