FD研修会『看護職として求められる基本的な資質・能力~看護学教育モデル・コア・カリキュラムについて~』を開催しました(2017/12/22 佐々木幾美先生)

日本赤十字秋田看護大学/日本赤十字秋田短期大学 2017年度第8回FD・SD研修会

【テーマ】
『看護職として求められる基本的な資質・能力
  ~看護学教育モデル・コア・カリキュラムについて~』

 2017年度第8回FD・SD研修会を、12月22日(月)14:00~16:00に301講義室にて開催しました。今回は本学の姉妹校である日本赤十字看護大学(東京・渋谷区)教授の佐々木幾美先生をお招きして、『看護職として求められる基本的な資質・能力 ~看護学教育モデル・コア・カリキュラムについて~』という演題でご講演いただきました。初めにFD・SD委員会委員長の南部直気参事より研修会開催の目的が説明され、続いて宮堀真澄看護学部長の講師紹介がありました。研修会の参加者は、看護大学教員32名・短期大学教員4名・事務職員4名、合計40名でした。

 昨今の看護系大学の急増に伴い、教育水準の維持向上が課題となっており、また、地域包括ケアシステムの構築、多職種連携・チーム医療の推進、更なる医療安全の要請等の社会の変化に対応し、看護師として必要となる能力を備えた質の高い人材養成が必要となっています。これを受けて文部科学省では、2016年に設置された「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」および「看護学教育モデル・コア・カリキュラム策定ワーキンググループ」において、大学の学士課程における看護師養成教育の充実と社会に対する質保証に資するための「モデル・コア・カリキュラム」の策定に向けて議論を重ね、パブリックコメントの結果も踏まえて、2018年10月に、全国の看護系大学が学士課程における看護師養成教育において共通して取り組むべき内容を抽出し、各大学のカリキュラム作成の参考として示した『看護学教育モデル・コア・カリキュラム~「学士課程においてコアとなる看護実践能力」の修得を目指した学修目標~の策定について』を策定公表しました。佐々木幾美先生は2018年3月まで、検討会委員および策定ワーキンググループ委員として、とりまとめにご尽力なされた中心的な人物でした。

 本学では、過年度に受審した大学基準協会の機関別認証評価において「教育課程の実施・編成方針(カリキュラム・ポリシー)は、現状の説明にとどまっており、教育内容・方針の基本的な考え方を示していないので、改善が望まれる」との指摘を受けています。そこで今回の研修会では、看護学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方と概要について学ぶにとどまらず、看護系人材として求められる基本的な資質・能力を、どのような教育カリキュラムによって身に付けさせるか、それらの学修成果の獲得をどのように評価していくか、などについてお話しいただき、看護学生の「学修成果をどのように評価するか」という視点を、教職員一人一人が獲得していくことにつなげられるようになることを目標として実施しました。

佐々木幾美先生研修会

 参加者からは「看護学モデル・コア・カリキュラムの意図、内容がとてもよくわかった。」「カリキュラム評価について佐々木先生の大学の取り組みがわかり、今後の参考になると思った。」「本学におけるさまざまな課題に対し取り組むべきことがたくさんあると思った。」「とても具体的な内容で説明いただいたので、わかりやすかった。また、シラバス作成にむけてもモチベーションが高まった。」「先生の大学の、PDCAの回し方のお手本のような省察と意思決定の早さは、同じ赤十字の大学として見習いたく、さっそく本学でも実施すべき点であると強く感じた。」など、非常に前向きな感想と今後への決意が聞かれました。