建学の精神

赤十字の看護は、赤十字の基本原則である人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性を基調とし、国際的な視野に立って人々の生命を守り、個人の尊厳と権利を尊重する。その看護活動は、国籍、人種、信条及び政治的、社会的立場の如何を問わずに、対象となる人々の健康レベルに応じて健康上の問題を解決することである。日本赤十字秋田看護大学の「建学の精神」は、世界的な人道機関としての赤十字の理念を基調とした「人道:Humanity」を大原則とする。

教育理念
日本赤十字秋田看護大学は、大学の目的である「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること(学校教育法第83条)」と、建学の精神である人道の理念を基調とした赤十字の思想を涵養(かんよう)する。それは、生命の尊厳と人間性の尊重に基づき、国内外の社会の変化に伴う看護ニーズを認識し、基礎的能力を有し、保健・医療・福祉システムの一員として看護活動ができ、将来、看護の教育・研究の発展に資することができる看護専門職を育成することを目指すものである。
教育目的
日本赤十字秋田看護大学の教育は、「人道:Humanity」の理念を基調とし活躍できる人材を育成する。また、科学的な看護を実践するために主体的な行動力と感性を備え、社会性豊かな人間形成、さらに優れた問題解決力をもって、国内外を問わず人々の保健・医療・福祉・救護の向上に寄与できる看護専門職者を育成することを目的とする。
教育目標

教育目的を達成するために、以下の教育目標を掲げる。

  1. 生命を守り、人の尊厳と権利を尊重して行動できる豊かな人間性を養う。
    • 豊かな人間性を育みながら、人の痛み・苦しみや喜びを共感的に理解し、コミュニケーションを図ることができる。
    • 赤十字の愛の精神をもって、創造的に問題解決を考えることができる。
    • 赤十字基本原則を理解し、赤十字看護職者としての責任感を培う。
  2. 看護の専門的知識と技術を修得し、科学的な根拠に基づいた適切な判断と解決ができる能力を養う。
    • 社会の変化に即した学問的知識と、安全な基本的技術を修得している。
    • 看護活動の本質と機能を理解し、その職責を果たすためのリーダーシップを発揮できる基礎的能力を養う。
    • 科学的倫理的判断に基づき、積極的に問題解決に取り組むことができる。
  3. 他の専門職と連携・協力し、地域社会の保健・医療・福祉の向上に寄与できる資質を養う。
    • 地域社会の特性を理解し、ライフサイクル、健康レベルに合わせたセルフケアに基づく看護ができる。
    • 諸機関と協働し、組織的に地域看護活動を展開するため、マネジメントなどの基礎的知識を養う。
  4. 看護を体系的にとらえ、看護の諸現象を科学的に探求できる姿勢を養う。
    • 看護研究の特徴や研究倫理について学び、論理的・批判的能力を養う。
    • 現実的な諸問題に深い関心を持ち、問題解決のために必要な知識・資源を獲得することができる。
  5. 自己成長を目指すとともに生涯学習を継続し、社会の変化に対応できる能力を養う。
    • 看護職者として、時代の照準に必要な学習課題や目標を自ら設定できる。
    • 絶えず課題の克服と目標達成に取り組み、その成果を評価することができる。
  6. 看護を国際的視野でとらえ、広く社会に貢献できる能力を養う。
    • 看護を取り巻く世界動向、法律施策、政治情勢に常に関心を持ち、看護の動向を考察できる。
    • 国内外での救護に関する組織的活動ができる基礎的能力を身につけている。
    • 異文化の理解に努め、それぞれが持つ個別的及び普遍的特徴をとらえながら、国際的な視点で健康問題を考えることができる。