教育職員免許法施行規則第22条の6に基づき、課程認定における情報を公表します。

1.教員の養成の目標及び当該目標を達成するための計画に関すること

 本学は教員に求められる基礎的資質である「教育者としての使命感」、「人間の成長・発達についての深い理解」、「児童・生徒に対する教育的愛情」、「他の専門職と連携・協力し、地域社会の保健・医療・福祉の向上に寄与できる資質(社会性)」及び「人間の尊厳と権利を尊重して行動できる豊かな人間性」を備えた教員の養成を目指す。
 また、子どもは自身では意図せずとも、日々心身ともに著しく成長、発達している。この時期の経験の全てが将来の可能性を大幅に拡げるかけがえのない時間である。そのような子どもの成長、発達の過程において、家庭、学校、地域の人々の三者は見守り、支え、ときに後押しする存在でなければならず、養護教諭はこれら三者を繋ぎ、子どもと直接向き合い、子どもの心と体の健康の保持増進に努める使命がある。
 よって、本学では、教職教育と専門教育を有機的に関連付けるとともに、さらには建学の精神である「人道:Humanity」を反映しながら、子ども一人ひとりと真摯に向き合い、子どもから信頼され、慕われる養護教諭の育成を目指す。
教職課程における卒業時の到達目標
1)子ども一人ひとりと真摯に向き合い、愛情を注ぐことができる(人間性)
(1)幅広い教養に基づいた豊かな人間性と倫理観を身につけている。
(2)子ども一人ひとりを理解しようと積極的に関わり、支えることができる。
2)子どもの健康を支える基礎的な知識・技能を身につけている(身につける基礎的な能力)
(1)子どもの心身・生活の状況、健康問題を理解し、子どもへ教育的に関わることができる。
(2)学校経営を理解し、学校保健組織活動や保健室管理を実践できる基礎的な能力を身につけている。
3)子どもの健康を支える仕組みづくりができる(学校内外の連携)
(1)現在の教育現場における多様な課題について、教員間や学校外の多機関と連携し、対応していく力を身につけている。
4)目標とする養護教諭像を描き自己成長を目指すとともに生涯学習を継続する態度を身につけている(自己研鑽)
(1)目標とする(自らが描く)養護教諭像と照らし合わせて、自己課題を理解できる。
(2)教育者としての倫理観・使命感を持ち続けることができる。
(3)社会情勢の変化を的確に把握し、子どもの健康と生活の質を高めるための学習を継続することができる。
(4)学校保健、養護実践力を高めるために、研究的視点を持ち、情報収集、計画、実施、評価を継続して行うことができる。
5)学校安全・危機管理に関する基礎的な知識・技能を身につけている(救援)
(1)様々な危機を未然に防止する基礎的な知識・技能を身につけている。

(2)事件・事故災害が発生した時に、組織的に適切かつ迅速に対応できる力を身につけている。

 この目標を達成するために、以下のとおり養護教諭の育成を行う。

 1年次では、教職の意義、役割、職務内容等、基本的な知識を習得させることにより、教職に対する理解、関心を育む。あわせて、人体、子ども、養護等に関する幅広い知識を習得させる教育を行う。また、教育の方法及び技術について学び、学校安全を実践するための基礎的な養護技術、健康相談、コミュニケーション力を養う。さらに年間を通じて「フィジカルアセスメント」をPBLテュートリアルで学習することにより、自ら気づき、考え、行動できる資質を育むための教育を行う。

 2年次では、養護活動を展開するための知識や技術を育み、さらに、対象となる子どもとの単一的な関わりのみならず、子どもを取り巻く環境や多職種、保健、医療、福祉との連携の実際を学び、地域における学校の役割、養護教諭の責務について理解を深めるための教育を行う。

 3年次では、養護に関する専門的な学習を進めると同時に、習得した専門的内容を「養護実習」により展開する。実習前後の各看護学の専門的な科目履修によって、学生が実習体験を、より多角的視点から捉え、様々な気づき、感動をもたらすことのできる教育を行う。また、実習体験から改めて自己理解と適正について考えることのできる指導を行う。

 4年次では、7セメスターの看護学実習(「小児看護学実習」、「母性看護学実習」)、8セメスターの「教職実践演習」、「統合看護技術」を通じ、養護教諭の役割に関する理解を深め、多様化する子どものヘルスニーズを多職種、地域、家族と連携して問題解決を図る能力を高め、養護教諭としての実践能力の向上を図る。教職課程における学びを振り返りながら、教員そして養護教諭として求められる資質、能力について、講義、演習、グループワーク等を通じ、自己の課題や特性を理解し、必要に応じて不足している知識や技能等を補い、その定着を図る。

2.教員の養成に係る組織及び教員の数、各教員が有する学位及び業績並びに各教員が担当する授業科目に関すること。

教職関係科目の担当教員一覧
教 授 准教授 講 師 助 授
  • 丸 井 淑 美
  • 阿 部 範 子
  • 小 山 清 博
  • 志 賀 くに子
  • 山 田 典 子
  • 森 岡   薫
  • 大 髙 恵 美
  • 酒 井 志 保
  • 舟 越 五百子
  • 荻 原 麻 紀
  • 北 林 真 美
  • 鈴 木 美 里
  • 高 山 新 吾
  • 丹 治 史 也
  • 新 沼   剛
  • 萩 原 智 代
  • 渡 邊 美奈子
  • 児 玉 一 枝
  • 佐 藤 考 司
  • 渡 邊 正 樹
 6名 3名 8名 3名
非常勤講師16名 計36名

3.教員の養成に係る授業科目、授業科目ごとの授業の方法及び内容並びに年間の授業計画に関すること。

教育課程

シラバス

4.卒業者の教員免許状の取得の状況に関すること。
養教1種免
令和3年度 13人

5.卒業者の教員への就職の状況に関すること。

養教1種免
令和3年度 秋田県 9人
山形県 1人
北海道 1人

6.教員の養成に係る教育の質の向上に係る取組に関すること。

〇教職課程の運営に係る組織の状況 【教職課程(養護教諭)専門委員会の概要】
組織名称: 日本赤十字秋田看護大学教職課程(養護教諭)専門委員会
目  的: ・本学の教育理念を実現するために、教職課程の運営及び改善に関する事項を審議し、必要な措置を講ずることを目的とする。 ・教育実習計画を策定、推進し、改善が必要と思われる事項を教務委員会と連携して質保証を図る。また、実習終了後、評価し、改善策を検討する。
責 任 者: 委員の互選により選出された委員長
構 成 員: ・教授会が選出する委員(若干名(うち養護に関する科目の専任教員1名(教授)、教職に関する科目の専任教員1名(准教授職以上)とする)で構成する。 ・必要とするときには、委員以外の者の出席を求め意見を聴くことができる。 (県養護教諭研究会、市教委の先生方にも委員会に参加頂き、意見交換を行う)
運営方法: ・原則として、月1回開催する。 ・委員の過半数による委員会開催の請求があるとき、委員長は委員会を開催しなければならない。また、必要に応じ、臨時会議を開催する。 ・委員の過半数以上の出席で成立する。 ・委員会の事務は事務局学務課が担当する。
【組織図】
【教職指導について】
1)学習ガイダンス(教務委員会が企画・運営) 毎年4月、全学年毎に実施する。教職課程(養護教諭)専門委員会の委員が本学教職課程に関する履修、選抜方法、その他注意事項について説明する機会を設ける。 2)履修オリエンテーションの会 毎年1年生の希望学生に教職の履修について履修カルテに基づき説明をし、見通しを把握させる。また、後半は先輩学生との交流を深める会とする。 3)学生からの各種相談 教職課程(養護教諭)専門委員会委員、アドバイザー担当教員、学務課職員が応じ、それぞれの相談内容等を情報共有し、指導する体制を取る。また、進路指導相談室は、卒後の進路についての情報提供や相談に応じる。 4)個別指導 ・教職課程(養護教諭)専門委員会委員は、履修カルテに基づき学習、履修指導等を行う。 ・アドバイザー担当教員はそれぞれが受け持つ学生と年2回程度、面談を行い、学習、履修指導に加え、大学生活の総合的な指導を行う。
【委員会の主な活動】
・履修学生の会の開催 ・演習室(保健室)の物品整備 ・学校訪問に関すること ・該当教育委員会、校長会役員へ訪問(挨拶、養護実習に関する意向確認等) ・養護実習に関すること(実習時期の調整、実習日誌等の作成) ・養護教諭希望学生(対象学生)との個別面談 ・対象学生に関する情報交換 ・教職課程に関するカリキュラム及びその実施に関すること(対象学生の1年次末の到達度や履修状況についての自己評価等の確認、報告、評価) ・委員会評価に関すること(委員会の年間活動のまとめ、報告)