自分たちの持つ常識を常に疑い、
探求し、共に学んでいきましょう。

大学院 看護学研究科長

教授  佐々木 久美子

佐々木久美子教授
 

 本学大学院は2011年4月に設置され、現在では2つの専門看護師教育課程(38単位)を含む4つの専攻分野・6つの専攻領域を持つ、多彩な教育課程から構成されています。赤十字の「人道(Humanity)」を基本的理念とする建学の精神に則り、広く精深な学識と看護学の学術的・実践的研究を通して、より高度な専門性を以て社会に貢献できる有為な人材の育成を念願としています。

 そこで大切なのは、大学院における学修を通して、あるいは研究を進める上で、看護の対象となる人と赤十字の理念である「人道」について考えることです。そのことは誰しもが自らのうちに備えている「苦しんでいる人を救いたい」と願う心のありように繋がります。西洋においては「高貴なるものの使命」という看護職の社会的責任を考えることであり、東洋においては「惻隠の情(そくいんのじょう)」ともいうべき相手の心情を深く理解することにつながるものと考えています。また、自分たちの持つ常識を常に疑い、考え続ける姿勢を保つべきだと思います。これまで自分が得た知識や実践がすべて正しいものとして疑おうとしないところに進歩は期待できません。疑問に思い探求し、学び続けることが大切です。なぜなら、自らの学問的な、実践的な探求の努力が最終的には人々の健康を守ることに繋がるのだと考えるからです。 そして、そのことは同時に地域の方々をはじめとして、多くの人々の期待に沿うことにも繋がることだと考えるからです。

 本学大学院において、これまで学んだ看護を踏まえ、自らの研究テーマや課題解決に向けて共に学んでいきましょう。